ドラマ

やっぱドラマはキャラ次第。「リコカツ」武士野郎(瑛太)と「大豆田とわこと3人の元夫」しんしん(岡田将生)のおかしな魅力。

豊作と言われた今季のドラマも概ね終わってしまった。

リビングで集中して見るのは無理なので、ティーバー等の配信で見るしかないが、寝る前に一つか二つ。いや欲張って二つ見ると寝不足になるかな…。

全話見るのは至難の業だが、今季のドラマには、ほんの何秒かで惹きつけられたキャラクターが2人いらっしゃったので、忘れないうちにメモしておきたい。

一人は「リコカツ」の武士野郎こと紘一さん(瑛太)。もう一人は「大豆田とわこと3人の元夫」のしんしん(岡田将生)である。

二人とも、お腹の中でスネ虫がぐるぐる巻きになっていて、その回転が激しくなると、妙な言動に出てしまうのが特徴だ。

しんしんの言葉を借りれば「僕には人を幸せにする機能が備わっていない」というスネ虫らしいのだが、武士野郎も北川景子を「幸せにできるのは自分ではない」という負の思い込みに囚われるが故に、おかしな方向に突っ走っていた。

二人ともおかしな言動を取れば取るほど、内側の純粋な心が浮き彫りになっていくので、観ている方は、どうしたって応援したくなる。

特に「リコカツ」は、離婚するか否かというシンプルなストーリーにもかかわらず、ハラハラドキドキさせられた。2人の出会いのシーンは「愛の不時着」という人気ドラマを思わせるとよく言われるが、自分的には、そのシーンは最高の「つかみ」だと思った。自衛隊服に包まれた瑛太がヘリコプターから降りてきて、遭難した北川景子に「もうだいじょぶです」と太い声で言った瞬間に、このドラマはコメディですよ、と伝えられ、この瞬間からこのドラマがとっても楽しみになった。瑛太がいくら音域が広いとしても、あれ以上低い声を出すのは、まず無理だろう。

瑛太の出演作品の中では、映画「有罪」が個人的には最も印象的だ。瀬々敬久監督の作品だが、生田斗真と一緒に、これまた難しい役に挑戦していた。特に瑛太は「少年Aかもしれない男」で、しかも魅力がないといけない役だったので、強く記憶に残っている。何考えているかわからない顔ができる俳優さんは何人かいるけど、瑛太は確実にその一人だと思った。

「リコカツ」でも北川景子がせっかく離婚したくない雰囲気を醸し出しているのに、一体どういう了見なんだか?察しがつかない妙な顔で離婚届を出して、ドラマの謎を深めたのだった。

北川景子がすごく可愛らしく、コミカルな感じが出ていたのも、瑛太のお手柄ではないだろうか。北川景子はdaigoと結婚した位だから、きっとユーモアの心を持っている女優さんに違いないが、何しろ美し過ぎる。しかし今回の「リコカツ」では、ついに!クールビューティーとコミカルを両立させたのではないだろうか。北川景子の今後がますます楽しみになる作品でもあった。

一方、「大豆田とわこ」のしんしんを演じた岡田将生は、最初は「おや?急に演技が上手くなった?」と思ったが、よく考えれば、そうではない。

岡田将生は、伊坂幸太郎原作の映画「オー!ファーザー」では4人の父親を持つ高校生を演じているが、その4人の父親というのが、超癖がある人物ばかり。今回の「大豆田とわこ」で言うと、松たか子の娘の役に近いが、岡田将生は4人の親父たちに比べればくせの少ない役だったように思う。

今回は逆に父親側(短期間の義父ではあるが)の役どころで、癖ありキャラクターを演じたが、爆発的におかしな感じは、きっと「オー!ファーザー」のおかしな4人の父親から学んだに違いない。

また、「ゆとりですが」では主演を務めたが、あまりにも山岸役の太賀が面白すぎた。映画「何者」では、佐藤健が演じた人物のいやらしい内面に興味を持っていかれた。つまり、周囲の方がくせが強い状況で演じるケースが多かったように思う。今まで抑えていた分が爆発したのかもしれない。そう考えるとなんとなく爽快だ。

「武士野郎」も「しんしん」も、現実にはいないだろうけど、いて欲しいキャラクターではある。くすくす笑いながら気分よく見られるのは、そのおかしな魅力の中に、ほんのりと人間の好ましい部分が見て取れるからだろう。誰でも清廉潔白ってわけにはいかないけど、真っ黒でも気が滅入る。ちらっとでいいから、人間の可愛らしい部分が見たい。ドラマの中にも、現実の中にも、自分の中にもね。

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