職場のビジネスホテルで普通に一緒に働く高橋さん(角田晃弘)が宇宙人と知った時には、そりゃ驚いた清美(市川実日子)と幼馴染のはっち(鈴木杏)とみなぷー(平岩紙)は、最初こそ高橋さんが十円玉を二つ折りにするのを見て大興奮していたが、4人で(宇宙人+幼なじみ3人)で一緒にお茶したりするうちに、次第に慣れていく。
そのうちに勤務先のビジネスホテルの長期滞在客の村上さん(小日向文世)が未来人だと知り、しばらくしてスナック従業員の瑞希(志田未来)が超能力者だと分かり・・・次々と人間以外の生命体が身近なところに存在することが発覚。一応秘密にするものの、諸事情により「特別ね」ということで少しずつ多くの人の知るところとなった。
宇宙人の高橋さんは、いざとなれば空中を飛べるほどの能力を持ってはいるが、それを使うと副作用があり、ひどく疲れて温泉に入らないと回復できない(温泉の成分が必要)、頭脳的な能力を使うと少しずつハゲてしまう等のデメリットが少なからずある。なので、むやみに使えないのだが、ついつい周囲を助けるために能力を発揮してしまったり、頼まれると嫌とは言えず「特別ね」と言って、なんだかんだ使ってしまう高橋さんなのだった。
だからこそ、温泉は命の源。ビジネスホテルに勤めていて、いつでも温泉に入れる、という環境は高橋さんにとって生きる必須条件となっていた。
ところが、そのビジネスホテルが町の再開発事業のため、近いうちに取り壊されることになった。未来人の村上さんの話では、五十年後のこの町は廃れてしまっている。梅本市長(菊地凛)が就任してからというもの、ビジネスホテル跡に多目的ホールなどの施設を建設したものの全く活用もされず、町は荒廃の一途をたどったそうだ。
これを何としても取り止めさせるため、清美の同級生を中心に宇宙人、未来人、超能力者の面々が結束して、梅本市長とビジネスホテルのオーナー(筒井真理子)の不正の現場を捉えた。梅本市長は逮捕され、ビジネスホテルの取り壊しは中止となった。
そう、つまり、未来を変えたのだ。
清美の幼馴染や同級生、近所の人々が結束しても中止はなかなか難しかったと思うが、そこに特殊な能力を持つ宇宙人や超能力者が加わり、未来人にしか知り得ない情報が提供され、普通の人を超えた多様なメンバーの能力や知識が持ち寄られたからこそ、できないはずのことができたのだ。
これは、何年前からか盛んに言われている「多様性」を宇宙人や未来人などにまで広げて表現しているのではないか?。
なにしろ、ドラマのロケ地が地元の喫茶店とかファミレスとか、近所の公園とか…清美と高橋さんの勤務先のビジネスホテルに至ってはレトロな感じかするほど気取りのない身近な場所だっただけに、そんなことをイメージしてしまった。
しかも、最終回では、清美の離婚した旦那さんも宇宙人の血を引いており、すなわち娘もクオーターとか大分薄いかもしれないが、一応宇宙人の血が入っていることが判明。まあ、宇宙人っていうか、多少変わった人なら身近に普通にいるしね。
そう考えると、ちょっといい話だったのかも。さすがバカリズム。